6. 惣菜売場のカラーコントロール
「惣菜売場は全部茶色に見える」「どれも同じ色に見える」——こんな声を聞いたことはないだろうか。
なぜこうなるのかには、生物学的な背景がある。色に反応するP細胞(Parvocellular cell)を多く持つ女性は色彩の違いを捉えやすく、カラフルなものを好む傾向がある。一方、光の陰影に反応するM細胞(Magnocellular cell)が多い男性は、動きや明暗のコントラストに敏感で、モノクロ系の色彩を好む傾向がある。進化的には、男性が狩猟において「動き」を察知するために発達した視覚特性とされている。
惣菜売場の担当者の多くは男性である。茶色一色でも気にならないのは、ある意味、性差の問題でもある。しかし購買者の多数派は女性であり、「茶色ばかりで食欲がわかない」という違和感は、購買機会の損失につながっている。
参考にすべきは 青果売場 だ。赤・黄・緑・紫と豊富な色彩が自然に陳列され、視覚的な賑わいと食欲を演出している。惣菜売場でも、緑の葉物(大葉・ルッコラなど)やレモン・トマトをワンポイントとして添えるだけで、視覚的な印象は大きく変わる。コストは微増でも、客の目を留め足を止める効果は十分に期待できる。
一部の企業ではトレーや弁当のレイアウトでカラーコントロールを実践しているが、売場全体としての色彩設計に取り組めている企業はまだ少ない。改装の際にはカラーコーディネーターやインテリアコーディネーターの力を借りることを検討してほしい。
目次
- グローサラント
- 中食市場が拡大した理由
- 寿司の不思議
- 土用丑の日
- 汚い惣菜キッチン
- 総菜売り場のカラーコントロール
- インスタ映え
- ネット(宅配)と総菜
