4. 土用丑の日
「土用丑の日」といえば「うなぎを食べる日」として定着しており、しじみや旬の食材で精をつけようとする消費者も多い。しかし、この土用丑の日をめぐって、スーパーマーケットでは奇妙な光景が繰り返されている。
数十年前は惣菜部門と鮮魚部門の両方でうなぎの蒲焼を販売し、社内セクショナリズムが問題になっていたが、近年は全国的に「うなぎ長焼は鮮魚部門」という棲み分けが定着しつつあった。鮮魚部門でも焼いて提供する企業が増えてきている。
ところが土用丑の日が近づくと、惣菜部門でも「うなぎ長焼」を販売する企業が散見される。惣菜部門の業績を上げたいというバイヤーの意向はわかるが、お客様の立場に立つと「鮮魚部門のうなぎと惣菜部門のうなぎ、何が違うのか」を明確に答えられる関係者はほとんどいないだろう。「惣菜部門のうなぎは店内で焼いています」と言っても、消費者は持ち帰って自宅で食べるのだから、焼きたてという事実には何の価値も生まれない。
これはうなぎに限った話ではない。サラダも青果部門・精肉部門・惣菜部門と複数の部門で展開している企業は多く、近年は合同陳列でお客様が選びやすい売場を作る企業も増えているが、 セクショナリズムを払拭できていない 企業が依然として多い。経営陣が生活者(主婦)の目線で売場を見る習慣を身につけることが、この問題を解消する第一歩である。
なお補足として、国産うなぎは稚魚の漁獲量低迷と養殖コストの上昇により、長年にわたり価格高騰が続いている。近年の土用丑の日は「価格の壁」が消費者の購入を抑制する傾向がある。一方で中国産や代替食材(なまずのかば焼き等)を打ち出す企業も出てきており、価格訴求一辺倒でない独自の提案が求められている。
