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イノベーション営業の現場から1

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記事作成日:2023年2月16日 (金)
執筆者:原田明人

オーストリア・ハンガリー帝国出身の経済学者ヨーゼフ・アロイス・シュンペーターが提唱した、”イノベーション”という概念。 我が国の経済白書に初めて記載されたのは1956年(昭和31年)版です。当時はモノも技術も不足していた未成熟な時代。

新技術が確立されればすぐに社会に実装され、いいものを作れば必ず、大量に売れた時代の始まりですね。インダストリー4.0社会を生き抜き、勝ち抜く必要がある現代の我々にとって、今何が必要なのか? 何が求められるのか? そのためにすべきことは何か?
日々のちょっとした隙間時間に、皆様と共に思考を巡らす機会をお届けできれば幸いです。

産業革命を起源とするイノベーションは、電気、情報と続き、 今まさに人工知能を軸としたインダストリー4.0が世の中を侵食しつつある。こうした時代にあって、営業担当者の役割とは何であるかを考えてほしい。高度成長期以来、営業担当者の役割は、以下の進化を遂げて来た。

・顧客に商品を選んでもらう「御用聞き営業」

・自ら顧客に商品を提案する「提案営業」          

・顧客の課題を解決することを提案する「課題解決営業」

そして今、インダストリー4.0時代の営業担当者の役割は、営業担当者が相手にする顧客、さらには顧客が相手にする「社会」に対して、イノベーションを起こさせるきっかけを作ることにあります。
それは、イノベーションのジレンマを超えて、顧客が成長するための方向性を営業担当者が一緒に考え、考え抜いた結果、「顧客」・「社会」・「自社」を成長させることであり、ひいては「営業担当者自身」をも成長させることにつながります。
顧客と社会にイノベーションを起こす起爆剤として機能する営業担当者が、今の時代に求められていると私どもは考えています。

ソリューション営業は、お客様の抱える課題に対し、”解決するコト”を提案する(攻める)営業です。このソリューション営業とイノベーション営業では、提供する価値の意味(モノ⇒コト)と、提供の仕(受け⇒攻め)の2つの軸での違いがあります。

例えば、システム会社の営業担当者が、お客様の抱える経営課題(例えば、販売・仕入の効率化・商品開発力の強化など)を、ヒアリングによって把握し、自社のシステムによってそれらの課題を解決する提案を行う営業スタイルがソリューション営業です。

お客様の抱える課題に着目して、課題解決を提案する営業と言えます。
それでは、イノベーション営業について考えてみましょう。

イノベーション営業は、お客様の期待を超える付加価値を、新(事業)領域・新(ビジネス)プロセスを示して提供する営業です。
また、社会課題に着目し、お客様との協創・共創によって社会課題解決に向かう視点が重要になります。

例えば、先日、HONDAとSONYの次世代自動車開発に向けての協業が報道されました。 HONDAの技術をもってすれば、自動車のEV化はHONDAだけで実現出来たでしょう。 しかし、SONYが持つネットワーク技術、センシング技術などと連携した 自動運転の実現をHONDAは目指しています。
自動運転は、社会における事故の撲滅や、労働力の確保など、さまざまな社会課題の解決に繋がります。
イノベーション営業とは、こうした社会課題の解決を目指し、お客様と協創し、世の中に付加価値を創造する営業活動と言えます。
その際、既存事業(部門)との間で市場や既得権益の奪い合い=カニバリズムという矛盾や、葛藤を抱えることもしばしばです。
しかし、これからの時代に求められる価値創造は、社会課題の解決に向けた社会実装が重要であり、決して、一社内の『共喰い』を恐れてはいけないのです。

皆様の会社は如何でしょうか。

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