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惣菜勝手レポート(8/8)

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8. ネット(宅配・デリバリー)と惣菜

実店舗がEC・宅配に押されているというニュースはよく耳にするが、惣菜に限って言えば、ネット・宅配との競合は相当前から始まっていた。そば屋・寿司屋の出前から1980年代のピザ宅配、ケータリングサービスまで、長い競合の歴史がある。

ここ数年で状況を大きく変えたのが、フードデリバリープラットフォームの台頭だ。Uber Eatsが日本市場に参入したのは2016年で、コロナ禍(2020〜2022年)に急激に普及した。現在は Uber Eats・出前館・Wolt・menu の4社が主要プレーヤーであり、Uber Eatsが月間アクティブユーザーの約半数を占める最大手の地位にある。フードデリバリー市場の規模は2022年をピークに縮小傾向にあるものの、2024年でも約 8,000億円規模(コロナ前の2019年比約90%増)を維持しており、生活インフラとして定着している。

ネットスーパー の領域では、Amazonフレッシュが2017年から関東圏を中心にサービスを展開し、ライフ・成城石井・バローなどとも提携して品揃えを拡充している。最短2時間での配達が可能であり、プライム会員以外も利用できるよう2024年に門戸が広がった。楽天西友ネットスーパー、各地域のネットスーパーも継続・拡大中だ。

現状、ネットスーパーで扱われる惣菜は冷凍・冷蔵の加工品が中心であり、揚げたての唐揚げや刺身のような「鮮度が命の惣菜」のデリバリーはまだ難しい。その意味で、スーパーマーケットの実店舗惣菜が最も意識すべき競合は、現時点では以下の2つではないか。

  • 生協宅配の冷凍惣菜・ミールキット:「温めるだけ・茹でるだけ」で完成する商品の品質が年々向上しており、惣菜の代替品として選ばれるケースが増えている。
  • Oisixに代表されるミールキット専門サービス:共働き世帯の「時短・手作り感」ニーズに応えており、スーパーマーケットの惣菜部門と中食市場を取り合う競合に成長している。

なおセブンイレブンの「セブンミール」は、2022年にネット注文サービスをリニューアルし、電話・店頭注文と組み合わせながら継続展開している。弁当・惣菜・ミールキットを取り揃え、一定のニーズを取り込んでいる。

では、スーパーマーケットの惣菜はこうした競合とどう向き合えばよいか。以下の3つの方向性が考えられる。

① 「冷めても美味しい」商品開発:デリバリーや持ち帰りに耐え得る惣菜を開発する。食感・味が時間経過に強い商品は、ネット販売にも転用しやすい。

② PB冷凍惣菜のネット販売:プライベートブランドで開発した冷凍惣菜をEC展開することで、余分な人件費を抑えながら実店舗と同価格でオンライン販売が可能になる。

③ フードデリバリーとの連携:Uber Eatsや出前館などのプラットフォームに惣菜メニューを掲載する企業も出始めている。実店舗との差別化を明確にしたうえで、配達料を正当に上乗せした価格設定にすれば新たな収益源になり得る。

最後に付記すると、ドローン配送の実証実験は全国各地で進んでおり、Amazon・ローソン・自治体・物流企業などが連携した配達実験が各地で行われている。「揚げたての唐揚げを2時間以内にお届け」という世界は、すでに現実に近づきつつある。スーパーマーケットの惣菜部門にも、この潮流を踏まえた斬新な戦略が求められる時代が来ている。

目次

  1. グローサラント
  2. 中食市場が拡大した理由
  3. 寿司の不思議
  4. 土用丑の日
  5. 汚い惣菜キッチン
  6. 総菜売り場のカラーコントロール
  7. インスタ映え
  8. ネット(宅配)と総菜

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