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惣菜勝手レポート(2/8)

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2. 中食市場が拡大した理由

「中食(なかしょく)」 とは、レストランや飲食店で食べる「外食」でも、家庭で手作りする「内食(ないしょく)」でもなく、外部で調理されたものを自宅や職場で食べる飲食形態を指す。惣菜・弁当・湯煎食品・レンジアップ食品・冷凍食品など、幅広いカテゴリーが含まれる。

「中食」という言葉が社会に普及したのは、働く女性やコンビニエンスストアが定着した 1980年代 ごろからとされる。それまでの日本の食卓は「母親の手料理」と「外食」の二択だったが、核家族化・女性の社会進出に伴い、コンビニ弁当・スーパーの惣菜・宅配ピザ・持ち帰り弁当などが食卓に並ぶようになった。

日本惣菜協会「2025年版惣菜白書」によると、2024年の惣菜市場規模は11兆2,882億円(前年比2.8%増)となり、過去最高を記録した。外食・中食を合わせた食市場全体は 22兆円超 に達しており(サカーナ・ジャパン2025年1月発表)、なかでも中食の伸びが際立っている。

中食市場の拡大には主に3つの背景がある。

理由1:単身世帯・共働き世帯の増加

厚生労働省「2024年国民生活基礎調査」によると、単独世帯は1,899万5千世帯(全世帯の34.6%) と過去最高を記録した。高齢単身者の増加と未婚率の上昇がその主因であり、65歳以上の高齢者世帯は全世帯の31.4% にのぼる。

共働き世帯については、総務省「労働力調査(2024年版)」をもとにした労働政策研究・研修機構の発表によると、2024年の共働き世帯は1,300万世帯に達し、専業主婦世帯508万世帯の約2.6倍となっている。夫婦のいる世帯全体に占める共働き世帯の割合は約 71.9% にのぼる。

社会生活基本調査によれば、共働きの女性が食事の準備に費やす時間は専業主婦より週に 40分以上少ない。食事の準備に時間をかけられない女性の増加が、二人以上世帯の内食から中食へのシフトを牽引している。

単身世帯については、1〜2人分の調理を不経済と感じる消費者が増え、特に高齢単身者は体力的制約や買い物機会の減少から、中食・宅配食品への依存度が高まっている。

理由2:所得の減少と物価高騰

1世帯当たりの平均所得は、ピーク時の1994年に 664万円 だったが、2024年国民生活基礎調査では 536万円(2023年1月〜12月の所得)となっており、30年間でおよそ 128万円 減少している。また、生活が「苦しい」と感じる世帯は依然として 約6割(58.9%) に上る。

割高な外食を避け、かつ食材をゼロから購入するより割安な中食は、所得が減少している局面で選ばれやすい。さらに2022年以降の物価高騰が家計を圧迫するなかでも、外食ほど高くない中食への需要は底堅く推移している。

理由3:コロナ禍が加速させた「中食習慣」の定着

2020〜2022年のコロナ禍における外出・外食自粛は、中食需要を一時的に急拡大させた。その期間に初めて中食を利用した消費者が品質の高さや利便性を実感し、コロナ収束後もその習慣を維持するケースが多く報告されている。冷凍惣菜・レンジアップ商品・ミールキットなどのカテゴリーは特にこの恩恵を受けた。

スーパーマーケットにおいては、今後も惣菜部門だけでなく、農産・水産・畜産・デイリーを巻き込んだ横断的なメニュー提案と売場展開が求められる。大手企業は専門人員やセンター化によるシステム投資で対応を進めているが、中小企業は各店舗の強みである「手作り感」や「地域密着」で差別化する戦略も有効である。

目次

  1. グローサラント
  2. 中食市場が拡大した理由
  3. 寿司の不思議
  4. 土用丑の日
  5. 汚い惣菜キッチン
  6. 総菜売り場のカラーコントロール
  7. インスタ映え
  8. ネット(宅配)と総菜

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