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食品スーパーの「ロス改善」完全実践ガイド(全8回)

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1.第1回:「ロス改善」は、なぜ永遠の課題であり続けるのか
2.第2回:あなたの店のロスは、年間いくら?
3.第3回:「3つのロス」の正体を知っていますか?
4.第4回:「ロス率を改善する」とは、どういうことか?
5.第5回:ロス改善に「正しい順番」がある理由
6.第6回:なぜロス改善は「続かない」のか
7.第7回:「データを読む」から「データで動く」へ
8.第8回:ロスを改善することは、お客さまの信頼を取り戻すことだ

~現場が動く、数字が変わる。担当者のための8ステップ~

第1回:「ロス改善」は、なぜ永遠の課題であり続けるのか
~経営者が本当に心配していること、現場に伝わっていますか?~

「今期もロスを下げろ、という話が出ている」「また本部からロス改善の指示が来た」——そんな声は、どのスーパーマーケットでも毎年のように聞こえてきます。(このコラムを読まれているということは、皆さんの会社もそうではないでしょうか?)

ではなぜ、ロス改善は「永遠の課題」であり続けるのでしょうか。それは、「やれ」と言われても、なぜやらなければならないのかの本質が現場に十分に伝わっていないからだと、筆者は考えています。

経営者が見ている景色

「ロス改善」の方針を出すのは経営層の方々です。経営層の方々が何を考えているかといえば、まず第一に「会社を継続させること」です。会社が存続するためには、利益を出し続けなければなりません。経営の基本式はシンプルで、

営業利益 = 粗利益 - 販売管理費

この式を見るとき、経営者はつねに「今の環境でどうすれば営業利益を確保できるか」を考えています。次の図1をご覧ください。

(図1)現状のトレンドを直視する

現在と近い将来のスーパーマーケットを取り巻く環境を整理すると、以下のようになります。

  • 売上:コロナ禍以降、既存店昨年比を毎年超える状況が続いていますが、最近では商品の値上げの要因が大きく、また、今後の人口減少・競合激化・消費者の節約志向が重なっていていることを踏まえると、「良くて横ばい」と考えるべきと考えます。
  • 原価:基本は上昇。円安・物流コスト増・食材価格の上昇が続いています。
  • 販売管理費(コスト):基本は上昇。特に人件費は最低賃金の引き上げにより、上昇が避けられない状況です。

この3つが同時に圧迫されている中で、「営業利益を確保する」という命題に答えなければならない。これが経営者の現実です。

2. 利益を確保するには

粗利益を確保するための選択肢を考えてみましょう(図1参照)。

  • 売価を上げる?→ お客さまの支持を失うリスクがあります。特に地域密着型のスーパーでは、価格への感度は非常に高い。
  • 高単価・高値入率の商品を増やす?→ 単価が上がれば、お客さまの目はよりシビアになります。「高くても売れる商品」の開発・品揃えは一朝一夕にはいきません。
  • 原価を下げる?→ バイイングパワーのない中小チェーンでは限界があります。

こうして選択肢を消していくと、現場レベルで今すぐ取り組める、かつ確実に利益に直結するのが「ロス改善」だという結論に至ります。これが「ロス改善」が永遠の課題である理由であり、同時に今まさに最優先で取り組むべき理由でもあります。

現場の皆さんに伝えたいのは、「ロス改善はノルマではなく、自分たちの会社を守るための仕事だ」ということです。この意識の違いが、取り組みの質と継続性に大きな差を生みます。

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