食品スーパー

第6回:なぜロス改善は「続かない」のか

ホーム > コラム > 第6回:なぜロス改善は「続かない」のか

~現場の4つの壁を理解することが、改善の第一歩~

「ロス改善をやろうと言ったら、最初の1ヶ月はみんな頑張るんです。でも2ヶ月目から元に戻ってしまう」——これは多くの教育担当・運営担当の方が経験していることではないでしょうか。「ロス」が発生するのは店舗ですから、ロス改善の取り組みは当然店舗で行われます。しかし以下の理由からなかなか思うように進まないのが現状です。

壁①:ルーティン業務の負担が大きい

「ロス改善をやれと言われても、今の仕事でいっぱいいっぱいです」——これは現場の正直な声です。しかし、ここに大きな誤解があります。ロス改善を突き詰めると、行き着くのは「発注・製造数の精度を上げること」と「その精度を上げるための情報収集」です。精度が上がれば、不要な廃棄作業がなくなり、むしろ仕事量が減ります。

  • ロス改善が進む → 廃棄に関わる無駄な作業が減る
  • 余裕が生まれる → 売場作り・接客・商品の魅力づくりに時間を使える
  • 仕事が楽しくなる → モチベーションが上がり、さらに精度が上がる

この「好循環」のイメージを現場スタッフに伝えることが、教育担当者の重要な役割です。

壁②:ロス改善の効果的な手法がわからない

「ロス率が高い」ことはわかっている。でも「何をどうすればいいか」が具体的にわからない——これが現場の実態です。ロスに関する計算の仕方はご存知かもしれない(知らない方も実は多い)ですが、「ロスをどのように改善するか」を体系的に学ばれた方は少ないのではないでしょうか。このコラムのような情報を、定期的に現場に提供することが重要な理由がここにあります。

壁③:データはあるが、必要な情報に変換できない

多くのスーパーマーケットでは、POSシステムから販売データを抽出することができます。しかし、抽出されるのは「数字の羅列」であり、そのままでは使えません。「エクセルで加工しようとしたが、スキルが足りなくてできなかった」「見ようとしたら1時間かかってしまった」——こうした声を現場からよく聞きます。「使えるデータ」に変換するための時間・スキル・仕組みの3つが不足していることが、データ活用の壁になっています。

対策として有効なのは、本部・SV側があらかじめ「使いやすいフォーマット」を整備し、現場に提供する体制を作ることです。現場がゼロからデータ加工する必要がない環境を整えることが、取り組みを加速させます。

壁④:会社としてのPDCAサイクルがない

最も根本的な壁がこれです。「ロス改善の指示→最初は取り組む→日々の業務に追われ立ち消え」——このサイクルを何度経験したか、数えられないほどではないでしょうか。

ロス改善を継続させるためには、「店舗がひとりで頑張る」構造から「会社全体で仕組みとして回す」構造へ変える必要があります。具体的には以下のような体制が有効です。

  • ロス改善プロジェクトチームの設立:販売部だけでなく、商品部・SVも参加する
  • 定例会議体の設置:月1回以上、同じ数字を全員で確認する場を作る
  • 商品部との連動:店舗だけでは改善できない「棚割り商品のロス問題」「広告商品のロット問題」を、商品部を巻き込んで解決する仕組みを作る

現場あるある①——棚割り問題:ロス改善を進めていくと、定番で継続して高いロス率が発生しているのに、「棚割りにあるから」という理由でそのまま発注し続けるケースが出てきます。こういった商品をどうするかは、店舗と商品部の間で話し合いの上、合意が必要です。

現場あるある②——広告商品問題:「広告だから発注せざるを得ないが、ロットが大きく、広告終了後にいつもロスが発生している」という商品があります。商品部が店舗の意見を吸い上げ、数値で分析した上で会社として判断する仕組みが必要です。

大事なのは、「会社として」という共通認識を持ち、それを持った上で同じ数字を追うことです。経験上、それができただけでも数字は確実に改善すると言うことができます。

どんなお悩みでも、まずはお問い合わせください!

Contact

ニッコンでは、企業規模の大小や業種に関わらず、各社のご要望に合わせた人材育成プランをご提案いたします。
また、教育研修以外の各種コンサルテーションもご支援いたします。
まずはお気軽にお問い合わせください。

電話でのお問い合わせ