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第6回:「テイクアウトは1%、店内は10%」――2027年からの食料品減税で何が変わるか

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記事のポイント

  • 2027年4月からの特例減税は、外食やケータリングを対象外とする公算が大きく、スーパーの惣菜・弁当(1%)と外食(10%)の間に9%という極めて大きな税率差が生まれる見込みである
  • 2025年の中食(惣菜)市場規模は前年比3.7%増の11兆7,075億円で4年連続の過去最高となっており、外食との税率差拡大は中食需要にとって強い追い風となりうる
  • 一方でイートインコーナーでの飲食(10%)とテイクアウト(1%)の差も9%に広がるため、現場オペレーションの混乱リスクが指摘されている

2026年8月5日の閣議決定方針では、飲食料品の特例減税(1%)の対象から外食やケータリング等が除外される公算が大きいとされています。これが実現すると、スーパーの店頭で販売される惣菜・弁当(1%)と、ファミリーレストランや居酒屋などの外食(10%)との間に、9%という極めて大きな税率差が生じることになります。日本惣菜協会が2026年4月14日に発表したデータによれば、2025年の中食(惣菜)市場規模は前年比3.7%増の11兆7,075億円となり、4年連続で過去最高を更新しました。この税率差の拡大は、外食に対するスーパー惣菜の割安感を一段と強め、中食需要を後押しする可能性があります。

一方で、見落とせない論点があります。イートインコーナーでの飲食は10%、持ち帰りは1%という扱いになるため、これまで2%だった店内飲食とテイクアウトの差も、同じく9%まで広がるのです。「持ち帰ります」と言って購入した後にイートインで食べる、あるいはその逆といったケースへの対応など、レジでの申告確認や案内には、これまで以上に丁寧な運用が求められる場面が増えます。

こうした運用の煩雑さを踏まえると、対応は二極化すると見られます。一部の店舗はイートインコーナーを一時的に休止・縮小し、休憩専用スペースへ用途を切り替えるでしょう。一方で、イートインには「店内で食べてもらうことによるついで買い」や「滞在時間を延ばす」という集客機能もあるため、税率区分のルール表示を明確にした上で、差別化要素として維持する店舗も出てくるはずです。近年多くの企業がグローサラント化を含めてイートインの拡充を進めてきただけに、この選択は店舗ごとの戦略の分かれ目になります。

もう一段掘り下げると、この9%という税率差は、外食産業とスーパー惣菜との力関係を一時的に塗り替える可能性を持っています。これまで「多少高くても外食の利便性・非日常感を選ぶ」という消費者行動があったとすれば、9%という価格差はその選択の重心を動かすのに十分な大きさです。惣菜部門にとっては、単なる税制上のニュースというより、2年間限定の「競争環境の変化」と捉えるべきです。 ただし、この追い風は2年間限定であることも忘れてはなりません。2029年4月に税率が戻れば、税率差による割安感も同時に薄れます。この2年間で新規のお客様を惣菜部門に呼び込めたとしても、それを税率が戻った後も維持できるかどうかは、税率とは別の要素――品質・鮮度・提案力――にかかっています。制度がもたらす追い風を一過性の需要増で終わらせず、固定客化につなげられるかは、この2年間の過ごし方次第です。

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