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第4回:何が売れて、何が売れなくなったのか?――増税前後のカテゴリー別変化

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記事のポイント

  • 2014年増税時、保存性の高い加工食品・調味料等は直前に前年比+35〜50%も伸びた一方、生鮮食品はほぼ平常運転(+2〜5%程度)だった
  • 需要変動の分岐点は「保存できるかどうか」にあり、生鮮三品や惣菜・弁当は税率変更の影響を受けにくいカテゴリーである
  • 税率変更を販促のテコとして使いやすいカテゴリーと使いにくいカテゴリーが、はっきり分かれている

税率変更の前後で、すべての商品が同じように動くわけではありません。2014年の増税時、食用油・醤油や味噌などの調味料・缶詰・乾麺・ペットボトル飲料といった保存性の高い加工食品カテゴリーは、直前に前年比+35〜50%という大きな伸びを記録しました(経済産業研究所ディスカッションペーパーによる試算)。一方、青果・精肉・鮮魚の生鮮三品や、豆腐・納豆・牛乳などの日配品、即食性の高い惣菜・弁当は、直前でも+2〜5%程度とほぼ平常運転にとどまったことが、日本チェーンストア協会の確定市況データからも確認できます。

この差を生んでいるのは「保存性」、つまり需要を先食いできるかどうかという一点です。買いだめが可能な油・調味料・酒類等(酒類は2019年から標準税率対象)は増税前に集中購入され、買いだめが物理的に難しい生鮮品や惣菜は日常の買物頻度に依存し続けます。

生鮮・惣菜は税制変更の影響を受けにくい「安定した売場」である一方、裏を返せば、税率変更というニュースを集客のフックとして使いにくいカテゴリーでもあります。加工食品売場が「まとめ買い」で盛り上がる一方、生鮮・惣菜売場は同じ話題性を持たせにくい構造があり、日々の来店動機を担う生鮮・惣菜と、話題性で一時的に伸びる加工食品とでは、税制変更への向き合い方を分けて考える必要があります。

この「保存性による分断」は、税率が上がるときも下がるときも、基本的には同じ論理で説明できます。増税前に買いだめされたカテゴリーは、減税後にもまとめ買いの受け皿になりやすく、増税の影響を受けにくかったカテゴリーは、減税でも同様に大きくは動きません。「税率が上がるか下がるか」よりも、「そのカテゴリーが備蓄可能かどうか」の方が、需要変動を左右する本質的な要因です。

酒類のように、2019年の軽減税率導入時には標準税率対象だったカテゴリーが、2027年の食品特例減税でも対象外になる見込みである点は押さえておく必要があります。「飲食料品」という大きなくくりの中にも、税率変更のたびに動くカテゴリーと動かないカテゴリーがあり、その線引きは毎回微妙に異なります。売場設計を考えるうえで確認しておきたい点です。 2027年の1%減税を見据えると、3月は生鮮・惣菜など日常消費財の販促に軸足を置きつつ、4月以降は減税によるお得感を訴求する特売・大量陳列へ切り替えることになります。ただし4月はメーカーの春の価格改定や物流コストの見直しが重なる時期でもあり、加工食品の発注を前倒しで積み上げすぎることは避け、価格改定のタイミングと発注ロットを見極めた在庫・発注管理が欠かせないのではないでしょうか。

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