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第6回:「指示を受ける人」から「自ら動く人」へ——非正社員戦力化という経営課題

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記事のポイント

  • 店舗スタッフの約8割を非正社員が占める構造の中で、生産性向上の鍵はパートスタッフの作業習熟度と主体性にある
  • 2024年7月の法改正により、スーパーのバックヤードが特定技能「飲食料品製造業」の受け入れ対象に加わった
  • 特定技能人材の役割を惣菜調理などの加工業務に絞り、既存パートスタッフを売場や接客へ再配置するという分業の見直しが一つの選択肢として考えられる

食品スーパーの店舗スタッフ構成は、約8割がパートタイマーやアルバイトなどの非正社員によって占められています。つまり、店舗の人時生産性を左右しているのは一部の正社員ではなく、この圧倒的多数を占める層の働き方そのものだということになります。戦力化を進める鍵は、精神論ではなく仕組みです。作業手順を型にして教える「型化されたOJT」と、スキルの向上が待遇に反映される明確なステップアップ基準を用意することが、「指示を待つ」から「自ら動く」への転換を後押しします。特に発注や品出しの優先順位づけなど、これまで正社員だけが担ってきた判断業務の一部をパートスタッフに委ねる「ワーク・アロケーション(適正な分業化)」の視点も欠かせません。

これまでの「正社員が指示を出し、パートが受ける」という縦型の関係性を、パートスタッフ自身が作業割当表を見て自律的に次のタスクへ移れる体制へと見直す動きがあります。また、2024年7月の法改正によって、総合スーパーや食料品スーパーのバックヤードが特定技能「飲食料品製造業」の受け入れ対象に追加されました。特定技能の外国人材は、惣菜調理や鮮魚・精肉の加工業務に限って就労が認められており、レジや品出し、接客といった販売業務には就くことができません。

この在留資格上の制限を踏まえると、特定技能人材を「バックヤードの専任加工」に位置づけ、そこで手が空いた国内パートスタッフを売場づくりや接客の強化に再配置するという役割分担の見直しが、一つの選択肢として浮かび上がります。たとえば、旬の食材を使った提案POPの作成や、常連客への声かけなど、これまで手薄になりがちだった接客の質を底上げする余地が生まれます。

特定技能人材の受け入れを単なる「人手不足の穴埋め」として捉えるか、既存スタッフの役割そのものを再定義するきっかけとして捉えるかで、現場への影響は大きく変わってきます。後者の発想に立てば、バックヤードの加工から解放されたパートスタッフに、これまで手が回らなかった接客や売場づくりという付加価値の高い仕事を担ってもらう機会にもなり得るはずです。単に人を入れ替えるだけでなく、既存スタッフのキャリアや役割意識そのものを見直す契機にできるかどうかが分かれ目になります。型化されたOJTや評価制度の見直しも、こうした役割の再設計とセットで進めてこそ効果を発揮するはずです。

自店で新しい人員体制を検討するとき、それは既存スタッフの仕事を守るための調整でしょうか、それとも既存スタッフの役割を広げるための再設計でしょうか。

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