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第2回:「属人化」という言葉で片付けていないか——生産性の差を生む本当の要因

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記事のポイント

  • 停滞店舗の多くは発注や品出しなどの業務が担当者の経験と感覚に依存する「属人化(ブラックボックス化)」の状態にある
  • 中規模店舗では非正社員が全体の8割近くを占めており、この層の労働時間をどう配分するかが経営の死活問題になっている
  • 2025年度の「飲食料品小売」の法的倒産件数は358件と4年連続で増加しており、生産性改善はもはや効率化の努力ではなく生存策になっている

同じ商圏、同じような立地条件であっても、人時生産性を着実に伸ばす店舗と、なかなか改善が進まない店舗があります。その差を「あの店にはできる人がいる」という個人の資質の問題として片付けてしまう現場は少なくありません。属人化した店舗では、手順がベテランの頭の中にしかないため、新人が入るたびに一から教え直すことになり、育成のスピードにもばらつきが出やすくなります。特定の人にしか対応できない状態が続けば、その人が休んだり辞めたりした瞬間に、店舗運営そのものが立ち行かなくなりかねません。

全国スーパーマーケット協会の調査によると、売場面積1,200〜1,600㎡の中規模店舗における平均人員構成は、正社員14.0人に対してパート・アルバイト等の非正社員が48.6人であり、全体の約8割近くを非正社員が占めています。帝国データバンクの調査では、2025年度における「飲食料品小売」の法的倒産件数が358件に達し、4年連続で増加していることも報告されています。

停滞店舗に共通して見られるのが、発注や棚卸しといった業務が担当者間で重複していたり、ピーク時のレジ応援によって陳列作業が後回しになったり、品出しの手順が人によってバラバラだったりする状態です。特にピーク時間帯は、レジ・品出し・発注のどれを優先すべきかがその場の判断に委ねられがちで、担当者ごとに答えが変わってしまいます。これは一見すると「現場が忙しいから仕方ない」で済まされがちですが、実際には人時の無駄な消費が常態化している証拠でもあります。

こうした属人化を、担当者個人の意識の低さの問題として片付けてしまうのは早計でしょう。標準化された作業手順や配置のルールが用意されていなければ、担当者は否応なく「自分のやり方」に頼らざるを得なくなります。属人化を放置したまま人だけを増やしても、教える側の負担が増えるだけで、根本的な解決にはなりません。仕組みが整っていない店舗ほど新しく入った人材の定着率も下がりやすく、属人化と人手不足が互いを悪化させる悪循環に陥っているケースも見受けられます。倒産件数の増加も、人手不足そのものが直接の引き金というより、人時を的確にコントロールする仕組みを持てなかった企業から先に淘汰されている、という構造の表れと捉えることもできます。

自店で「属人化している」と感じる業務があれば、それは特定の担当者の資質の問題なのか、それとも仕組みが用意されていないことの結果なのか——まずは一つの業務を選び、棚卸ししてみてはいかがでしょうか。

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