~やみくもに取り組んでも成果は出ない。ストーリーを理解して動こう~
ロス改善に取り組む際、多くの現場で見られるのが「気になるロスから手当たり次第に対応する」というパターンです。しかしこれでは、労力の割に成果が出ません。ロス改善には理に適った順番があります(図5参照)。
(図5)ロス改善のストーリー

①既に取り扱っている商品におけるロス
ステップ1:廃棄ロスを減らし、廃棄金額を減らす
最初に取り組むべきは廃棄ロスです。理由は明快です。廃棄は「目に見える」ため、現場が問題を認識しやすく、PDCAが回しやすい。さらに廃棄を減らすことで「作業の無駄」が減り、スタッフに心理的・物理的な余裕が生まれます。
→単品データで、「廃棄金額の高い」商品を抽出し、対策を実行する。
ステップ2:品切れ(機会ロス)を減らし、売上を上げる
廃棄ロスが落ち着いてきたら、次は品切れの解消です。品切れはデータに現れにくいため、意識的に「見える化」する必要があります。
→品切れの状況が「見える」ように、日々決まった時間で「品切れチェック」を行う(例:夕方5時・7時の2回)。 →合わせて単品データで、「時間帯別販売数」「最終販売時間」を確認し、あれば売れただろう数量を推測する。 →その数量が提供できるように、発注・製造計画を修正する。
ステップ3:売上を損なわずに値引きロスを減らす
ステップ1・2で効果が出てきたら、値引きロスの改善に着手します。
→単品データで、「ロス率の高い」「ロス額の高い」商品を両方の視点で抽出する。 →その原因に対し仮説を立てて(発注過多?売価が高い?商品力不足?)、それに見合った対策を実行する。 →対策の結果を検証し、必要であれば追加の対策を実行する。
それぞれの特徴を考えると、この順番で行うのが理に適っていると考えます。
②お客さまが欲しい商品にも関わらず、取扱いのないことにより生じるロス
ステップ4:お客さまが欲しい商品を導入し、売上を上げる
以上の3ステップが軌道に乗ってきたら、いよいよ「品揃えの最適化」です。ここで重要なのは、「お客さまが欲しい商品をどうやって知るか」です。
ヒントの見つけ方:
- 売場でのお客さまの問い合わせ内容を記録する
- 競合店で「面をしっかり取って」陳列されているが、自店にない商品を確認する
- 自社の他店舗で実績のある商品で、自店未取り扱いのものをリストアップする
ただし、品揃えの拡大にはカニバリ(他商品の売上食い)のリスクがあります。ステップ1〜3を先に行う理由の一つは、既存商品の精度を上げてから新商品を導入しないと、何がカニバリで何が純増なのかが判断できないからです。新規商品の導入には十分な検討が必要であり、即効性は期待できません。これが「既存の商品のロス改善の効果が上がってから」にする理由になります。
