フレスコ株式会社様
食品スーパー従業員一人ひとりの成長が企業の成長を後押しする。
人材育成を通して「思いやりのある職場づくり」へ──

フレスコ株式会社様 企業概要
■フレスコ株式会社様は、福島県相馬市の本店を中心に、福島相双エリアと宮城県仙南エリアでフレスコキクチを17店舗展開する地域密着型食品スーパーマーケットです。
■働く従業員一人ひとりが成長し、そして思いやりのある職場づくりを通し従業員も幸せになっていく企業を目指すという新たな経営理念のもと、正社員250名、パートタイマーを入れて約1200名のスタッフが働いています。
弊社、日本コンサルタントグループ(以下、ニッコン)は2022年に次世代の経営幹部候補者の育成、部門主任研修を行いました。この度、その成果などについて、人材育成部門の責任者様にお話を伺いました。
――改めまして、本日はお時間をいただきありがとうございます。
まず、フレスコ様の会社概要につきまして簡単にご紹介をお願い申し上げます。
谷口様)フレスコ株式会社は、福島県相馬市の本店を中心に、福島相双エリアと宮城県仙南エリアを中心に、フレスコキクチを17店舗を展開する地域密着型の食品スーパーマーケットです。 前期の売上は260億です。
スーパーマーケットという仕事は地域にとって無くてはならない存在であり、「食」で地域に貢献するため、正社員250名、パートタイマーを入れて、約1200名のスタッフが働いています。
今年、新たに経営理念を一新。働く従業員一人ひとりが成長し、そして思いやりのある職場づくりを通し、従業員も幸せになっていく企業を目指すことを経営理念に盛り込んでいます。会社は常に成長し、働く従業員も一緒に成長しながら、人生の幸福を追求していけるような会社を目指すことが、経営理念にも通じるとともに、経営の根底にあるという認識のもと、人材育成に取り組んでいます。
人材育成の取り組み
――会社の成長を支える上で、原動力である社員一人ひとりの力が非常に重要になってくると思います。
現在の人材育成に関するフレスコ様の取り組みについて、お聞かせいただけますか。
谷口様)私がこの会社に来たのは6年前になりますが、社内でどのように人を育てるかという教育体系がありませんでした。
3年前より人事に携わるようになり、そこから全体の教育体系を作り、それを今も整備している途中です。
新入社員、あるいは中途採用でも、入社後の職位のステップアップとともに、しっかりと研修・教育を受ける体系を整えつつあります。
大きくは3つのパターンで運用しています。
一つは先ほど申し上げました、職位に応じたステップアップの研修。
二つ目は、自己啓発、自分でしっかりと勉強する。あるいは自分の成長を支えていく機会の提供。
三つ目は、人間としての成長を支える教育。
この三つをセットにして、順次運用しています。
特に、注力しているところは、人間としてどう成長していくかというところです。これは経営トップの思いが最も強いテーマで、「人間として持っている人格そのものが、仕事も、あるいはプライベートのいろんなところに繋がってくる、人間としての成長を、会社もしっかりと支えていこうという取り組み」です。これが現教育体系の中心にあるものです。
「部門主任研修」でのご支援
――人格形成による成長支援に注力されている一方、職位に応じたスキル・知見を学ぶ上で、現在、部門主任研修を弊社日本コンサルタントグループにご依頼いただいております。
部門主任研修に対する、取り組みのきっかけと期待、そしてこの研修を通して、皆様がどんな形で成長されていらっしゃるのか、教えてください。
谷口様)職位別に見て、社員250名のうち、約100名が売場の部門主任です。プラス50名が予備軍となる部門副主任の構成です。
250名のうちの150名がそれぞれの部門に関わる職位の人たちです。この人たちの成長をなくして会社の成長はない、というのが一番の思いです。数年前までは、この職位の人たちが、研修も自己啓発の機会もなく、どちらかといえば経験に基づく成長に期待するしかありませんでした。今後の出店などを考えた場合、店舗を支える部門主任の皆に、原理原則であったり、課題への対応であったりの基礎的なところを何とか底上げし、色々な工夫や対策を考えられるという人材を育成しなくてはならないという思いから、部門主任研修をやろうというところに至りました。
私は前職でも教育関係の仕事をしておりました。その時、国内のいろいろな教育機関とお付き合いがありましたが、日本コンサルタントグループさんともお付き合いがあり、スーパーマーケットの研修実績が多いことや、カリキュラムの修正・フォローを含めて非常にレベルが高いという認識があり、数年前から日本コンサルタントグループさんにお願いをした経緯があります。

実施内容は、部門主任に必要な基礎知識・マネジメントの基本やコミュニケーションのスキル、あるいは数値管理や対策立案の研修を実施しています。現場の第一線で働く部門主任として必要な知識をしっかりと学んでほしいとの思いから、事前にカリキュラムの打ち合わせを行い、当社の要望を取り入れ、何回か修正もしていただきながら、研修内容を作り上げました。
この研修は、もう今回で三回目になりますので、ほぼすべての部門主任あるいは副主任、中にはまだ担当者(※昇格前のスタッフ)という者も含めて、研修を受けています。
成果については個人差はありますが、研修を受講することによって、「数値管理の方法がしっかり理解出来た」とか、「部門外でコミュニケーションをどう取っていけばということが分かった」、あるいは「競合店が出てきた時の対策の立て方が分かった」という声を聞いておりますので、研修を受講して、しっかりと成長していってる従業員がいることを実感しています。

一回一回レポート提出も義務付けており、やはり基礎的な原理原則を学ぶことができるということに、喜びを覚えている受講生が非常に多いことが伺えます。
また店舗が離れておりますので、こういう研修の機会を通じて、他の店の人たちと会っていろんな討議をするという機会も、非常に喜びの機会というふうに、レポートで書いている受講者もいます。
どちらにしましても、すぐに成果が出るか、あるいは五年後、十年後に出るかわかりませんけども、やった効果は確実に出ることを信じて継続をしております。
これからの人材育成へ
――過去の部門主任研修の受講者の中から、今後店長やスーパーバイザー等に昇格されご活躍される方が出られることを期待しております。
今後会社の成長を支える上で、全体的な人材育成の方向性についてお話を伺えますでしょうか。
谷口様)職位別研修は、この部門主任研修を継続して実施しておりますし、幹部研修も一度実施しており、職位的なところはある程度進んできました。
今後の課題として、当社は女性が社員の約3割が占めており、女性がいかに活躍できる会社になるかというところです。やはりスーパーマーケットですから、買い物に来られるのはほとんどの方が主婦です。そうすると女性目線で売り場を作っていくということも非常に大事な要素です。
その女性が活躍するにはどうしたらいいか、なかなか社内だけで考えて進めていくのは難しいところがありますので、研修を取り入れながら、女性が活躍できる会社というのを作り上げることが一つの会社の課題であり、今後取り組みを進めていかなくてはならないと思っています。
また、会社として、もうすでに3年先までの出店計画が順次決まっております。小さな会社から中堅規模の会社に変わっていく過程で、いろんな仕組みの変革が求められます。会社の中の仕組みを会社の成長に合わせて変えていく必要があると思います。例えば人事制度であったり、それ以外の様々なシステムをどう設計していくかというところも、課題であり、それも一緒に考えていく必要があります。
――女性活躍推進が、今後の人材育成における御社のテーマになってくるというお話ですが、現在女性の店長の方はいらっしゃるのでしょうか。
谷口様)まだ店長はおりませんが、副店長が一名と、職位的には店長と同格になりますバイヤーが、今年から二名女性社員が活躍しています。経営トップも女性活躍を推進しようということで、活躍次第ですけれども、女性を積極的に登用していこうという流れにはなっています。
――だいぶ基盤は出来てきているという感じですが、地域のローカルチェーンからさらに拡大されるというビジョンの中で、今後、私ども日本コンサルタントグループに期待やご要望、改善点など、忌憚のないところでご意見を賜れればと思います。
谷口様)先ほど、会社の課題、あるいは人材の課題等の話をさせていただきましたが、そこを助けていただけるような研修だけではなく、仕組みの構築であったり、女性活躍推進であったりというところを相談させていただいて、お手伝いいただけるところがあれば、是非一緒にやりたいと思います。
現在の研修は、事前の打ち合わせあるいはカリキュラムの変更等をしっかりと対応していただいてますので、現状やっている部門主任研修等に関しましては、非常に満足した内容で進められているという認識はしております。
――今後も御社の成長と人材育成の一助になればと考えておりますので今後ともお付き合いのよろしくお願い申し上げます。最後に谷口部長様から一言いただければと思います。
谷口様)フレスコ株式会社は、数年後に350億、さらにその上を目指して成長して企業であると思います。
会社が成長していくことが働く従業員の新たなポジションを生んでいきますので、そういう意味で、成長を止めないというところがトップの考えにしっかりあります。
会社が成長し従業員が成長していく、という中で、人材育成という役割は非常に大きなウェイトを占めていると思いますので、今後しっかりと体系的に作っていければと考えております。
――本日はありがとうございました。
お話を伺った方
・フレスコ株式会社 取締役/経営企画室室長兼人事教育部部長 谷口 一郎 様
・取材:オンライン
・取材日:2025年9月12日(名称等は取材当時のものです)
フレスコ様「部門主任研修」
担当講師所感

食品サービス産業研究所 齋藤康人
店舗独自の魅力を高める「個店経営」の方針にもとづき、従業員への教育を推進していらっしゃいます。
個店経営とは、チェーンストア経営を前提としながらも現場に一定の権限委譲を行う経営手法です。
したがって、最前線で商売を担う部門主任の部門運営スキルを高めることが必要不可欠となります。
教育内容としては、QCの考え方に準拠した現場の問題解決です。
具体的なテーマとして、人時売上高の向上を目指し、計数管理、作業管理、売場づくり、OJT、リーダーシップ、コミュニケーションなど、仕事と人に関するマネジメントの知識付与と実践・振り返りの繰り返しを行っています。
定量データを読み取り、仮説を立て、周りを巻き込んで対策を実践し、検証・改善を行うという一連の流れを部門主任のタイミングで経験することは、将来店長やバイヤーなどにキャリアアップした際に役立つとともに、会社にとっても大きな力となります。
フレスコキクチ様の経営理念の中に「商品・店舗・経営のすべてにおいて、既成概念にとらわれず、進化し続けることが私たちの存在価値です。」という一文があります。
一般的に、食品スーパーマーケットの現場は日々の営業に追われ、既成概念の中で現状維持の仕事となることが多いように感じます。
そこに楔を打ち込み、進化し続ける組織を目指すという想いに強く共感します。
このような素晴らしい組織づくりに貢献できることを心より感謝し、部門主任の皆様に優しく厳しく寄り添った支援をして参ります。
企業情報
| 会社名 | フレスコ株式会社 |
| 本部所在地 | 〒976-0042 福島県相馬市中村字宇多川町17番地(相馬店) |
| 代表者 | 代表取締役社長 菊地 盛夫 |
| 事業内容 | 地域密着型スーパーマーケットの経営 |
| 公式サイト | フレスコ – 毎日の生活に笑顔をプラスし、ご家族の健康を支えます。 |
